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松竹祠跡を通ってしばらく歩けば広い空き地が出る。ここは秋史が大静に来て初めて留まった宋啓純家屋跡である。宋啓純は流人である秋史を管理した一番目の人であった。圍籬安置の刑罰を受けた秋史がここに到着すると家の周辺には棘の垣根が張られた。済州の藁葺家で秋史の淋しい流配生活が始まる瞬間であった。名門家の子孫に生れ広い家で暮してきた彼にとって藁葺の小さいオンドル部屋で生活することは容易いことではなかったはず。しかし秋史はその小さい空間も自分にはもったいないといった。いつも自信満満であった秋史にとって流配は自分を省みて心境の変化をもたらしたきっかけになったのである。時の大学者として何の憚りもなかった彼が茨木の中に閉じ込められ、その息苦しさをどう耐え抜いたのであろう。今は藁葺や茨木の棘もなく城壁の形だけが歴史の証人となって残っている。